■ 抄録・要旨
| 粒子状物質中の炭素成分は熱分離法で分析するため、サンプリングには耐熱性のある石英繊維フィルターを使用するが、石英がガス状有機物を吸着し、粒子状の有機炭素(OC)を過大評価する(正のアーティファクト)。また吸着量は捕集前のフィルターの加熱処理温度によって変わる可能性が考えられる。そこで、活性炭デニューダを用いた比較試験を行い、ガス状有機物の影響を検討した。その結果、フィルターの加熱温度にかかわらず、通常行われているデニューダなしのサンプリングによって得られるOCのうちの概ね1〜3割は、ガス状OCによって過大評価されていると見積もられた。
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